ながいではたらく

農業を目指す人。老舗の会社を守る人。行政で働く人。ITを駆使する人。起業する人。長井で働く人たちには、いろんな人がいます。そしてそれぞれ、輝いています。

私たちは工場の自動化・省力化のプロである
「ロボットシステムインテグレータ」になる。

「『何をやっている会社なのか』と質問されると、答えるのに困るんですよ。先日も学生さんたちが会社見学に訪れたのですが、説明するのにひと苦労でした」と語るのは、株式会社吉田製作所・代表取締役社長の吉田重成氏だ。事業内容は、大きく二つ。精密部品加工と、「自動機」「省力化機械」などと称される産業用機械の設計・製造だ。創業者である先代の父親が部品加工を生業として独立したのが、同社の起源だという。そこから産業用機械設計・製造に事業を拡大できたきっかけは、先代が仲良くしていた機械設計の技術者を招へいし、その技術者がさらに知り合いの電気制御技術者を連れてきたことだったそうだ。
「私が当社へ入社したのは今から18年ほど前ですが、当時はその二人の技術者が現役バリバリの頃。機械設計技術者の方はお客様先を訪ね、ご要望を聞き出して話をまとめてくる社交性のある人で、電気制御技術者の方はそれを形にするために全力を挙げる職人肌の人でした。この二人が、当社の現在の礎を築いてくれたと感謝しています」(吉田)

精密部品加工と産業用機械の設計・製造を両輪としていることは、二つのメリットがあるという。一つは、技術的なメリット。もう一つは、会社経営におけるメリットだという。
「前者は、精密部品加工をやっている中で蓄積されたノウハウが、産業用機械の設計・製造にも活かせること。私たちにオーダーをいただく産業用機械は、製品を組み立てたり、加工を施したりするものになります。そんな機械に求められる精度がどの程度のものかは、精密部品加工をたくさん手がけている私たちにとっては手に取るようにわかること。結果として私たちが手がける産業用機械は、適切な精度を実現するものに仕上がります」(吉田)
だからであろうが、同社が手がけた産業用機械の納品先からは「吉田製作所の設計は品質が高い」という評価を得られることが多い。これはまさに創業者の先代社長と、機械設計・電気制御の二人の技術者が残した「財産」と言えるだろう。

一方で、もう一つの「会社経営におけるメリット」とは、どういうことだろうか。 「産業用機械の設計・製造には、ご注文をいただいてから納品までに一定の期間が必要になります。一台あたりの受注金額はそれなりになりますが、一般には納品後にご入金をいただくことになる。その間は入金がないということなので、設計・製造のプロセスで万が一、トラブルがあったりすると資金面でショートしてしまう可能性もあります。それを補ってくれるのが、精密部品加工の事業。こちらはご注文から納品までの期間が短く、キャッシュフローが健全化する。二つの事業の相乗効果で、会社経営は安定してきます」(吉田)
精密部品加工が経営の安定化に寄与している、ということは、製品の量産体制を整え、大量生産に対応しているのだろう、と想像する人もいるだろう。ところが同社は、いわゆる「多品種少量生産」をモットーとしており、大量生産とは真逆のスタンスを取っているのだ。
「ウォータージェット加工など、私たちならではの技術を頼っていただけるたくさんのお客様に、根強い支持をいただいています。大量生産に対応して価格競争の土俵に乗るよりも、付加価値の高い製品づくりに注力する方が高い収益性を確保できますからね」(吉田)

産業用機械の設計・製造と精密部品加工の両軸で、大手メーカーをはじめとしたお客様から根強い信頼を獲得してきた同社だが、今後はどのような方向へ向かって行くのだろうか。代表取締役社長の吉田氏によると、「ロボットシステムインテグレータを目指したい」という。
「『ロボットシステムインテグレータ』とは、経産省と一般社団法人日本ロボット工業会が提唱する考え方で、ロボット導入を検討する企業の現場課題を分析し、最適なロボットシステムの提案・構築・導入を行う事業者のこと。私たちが手がける産業用機械は、つまりはロボットです。今後労働人口の減少が進む中、工場の自動化や省力化へのニーズはより一層高まると予想されます。そんな時代に即した企業として、存在感を発揮したいですね」(吉田)
同社では時代のニーズに応えるべく、若手技術者に最新のロボット制御技術を学ぶセミナーや展示会などに積極参加させたり、市内のメーカーや高校などとコラボした長井ロボットプロジェクトに参加したりと、さまざまな取り組みに挑戦し続けている。

吉田重成

株式会社吉田製作所
代表取締役社長

1973(昭和48)年、先代の父が部品加工業として創業。重成氏は2000(平成12)年に入社し、2012(平成24)年から代表取締役社長就任。現在に至る。

株式会社吉田製作所