ながいではたらく

農業を目指す人。老舗の会社を守る人。行政で働く人。ITを駆使する人。起業する人。長井で働く人たちには、いろんな人がいます。そしてそれぞれ、輝いています。

「山形情報化推進法人」が地域再生のモデルをつくる。
「山形、スゴい」「長井、スゴい」と言われてみたい。

高橋氏の名刺を見ると、社名の前に「山形情報化推進法人」と記されている。実際にはそんなカテゴリーの法人はなく、言ってみれば日本・アルカディア・ネットワークが勝手に名乗る法人名である。その名からすれば「山形の情報化を推進する法人」である、と主張しているわけだが、山形の中でも本社を置く長井市の情報化を強く推し進めているようである。
「ホームページを見ていただくとわかりますが、当社への出資は長井市が50%以上を占めていますし、役員に名を連ねる方々も長井に縁のある人ばかり。長井の情報化を推進することが、結果として置賜地方の情報化を推進し、山形県のそれも推進し、全国に発信することになる、と考えているので、『山形情報化推進法人』を名乗っているというわけです」(高橋)
事業内容を見ると、そのコンテンツはバラエティに富んでいる。創業事業でもあるインターネットプロバイダ事業を核としながら、WEBコンテンツの企画・制作からネットワーク構築やホスティングサービスなどのITインフラ事業、さらにはコミュニティFMラジオ局の運営など、情報発信に関連するものはほぼ全て網羅している、と言っても過言ではない。

高橋氏自身も、長井市の出身者である。しかしながら、現在に至るまでには紆余曲折もあった。東京都内で広告関連の会社に勤めたり、独立して個人事業主になってみたり。いろいろな経験を積んだ結果、たどり着いたのが「経験を活かして地元・長井に貢献する」ことができる日本・アルカディア・ネットワークだった、というわけである。
「前職の頃から当社とはコラボレーションさせてもらっていたこともあり、誘いを受けて入社したのが2015年のこと。広告関係の仕事で得た知見やノウハウを活かし、長井や置賜、山形を発信するさまざまな事業に携わってきました。今は若い人材も育ってきて、私がやってきたことを引き継げるようになったので、新しいことに挑戦しようとしています」(高橋)

高橋氏が現在、挑戦しようとしている「新しいこと」というのは、一言で言えば「長井に人を集める」「長井の人を呼び戻す」ための仕組みづくりである。そのキーワードになっているのが、「はたらく」である。長井で働くことは魅力的だ、と発信しようというのである。
「まだアイデアレベルの話ではありますが、『長井ではパラレルワーカーが当たり前』のような雰囲気づくりをしてみたいと考えています。『パラレルワーカー』とは、わかりやすく言えば副業をいくつも持っている人のこと。たとえば長井の企業から『こんなパラレルワークがあるけどどうですか?』と発信してもいいし、長井の人たちに向けて違うエリアの企業から『どうでしょう?』と投げかけるのでもいい。そんな情報が集まるポータルサイトのようなものができたら面白いのではないか、と考えていたりします」(高橋)
長井出身の人が「自分の地元には面白い働き方がある」と感じて戻ってきたいと思ったり、長井以外の出身者が「長井だと面白い働き方ができる」からと「長井に来たい」と思ってもらえるような仕掛けをつくりたい。そんな高橋氏の目論見は、長井市の第三セクター企業でもある日本・アルカディア・ネットワークでなら実現可能なように感じられる。

「長井出身の人たちが長井に戻ってくる割合を『帰郷率』と考え、これを高めることが長井に活気を取り戻すきっかけになると思っています」と高橋氏は言う。なぜそう考えるかというと、自身がこれまで出身地である長井との接点が思いのほか多かったことが、地元・長井に対する愛着の深さにつながっているように思えるから、だそうだ。
「個人事業主として独立していた頃はずっと、長井にある実家に住んで拠点にしていたことは、大きかったと思います。だから『帰郷率』を高めるには長井出身者にとって地元・長井との接点を増やすことが不可欠だと考えています。たとえば日本・アルカディア・ネットワークの持つ事業コンテンツの中で「教育事業」を活用し、プログラミングや動画制作などの講座やスクールを積極的に開講するのも有効ではないか、と仮説を立てています」(高橋)
これから日本は少子高齢化が進み、過疎化が深刻な地域も今以上に増えてくると予測される。そんな時代の到来を前に、高橋氏の取り組みは地域が生き残るためのモデルケースになる可能性が十分にある。そんな実験的な試みに、高橋氏はワクワクが抑えられない。
「山形情報化推進法人である私たちが地域再生や活性化のモデルをつくり出せたとしたら、『山形、スゴい』『長井、スゴい』となるでしょう。そんな時が来るのが楽しみです」(高橋)

高橋直記

日本・アルカディア・
ネットワーク株式会社
プロデューサー

大学卒業後、新卒で地方銀行へ入行。その後、上京してCGを学ぶ専門学校へ進学し、広告関係の企業へ入社。独立・起業を経て2015年、日本・アルカディア・ネットワーク入社。

日本・アルカディア・ネットワーク